イスラエル民族の父祖。新約では、神の約束を信じたことが義と認められた人物として繰り返し語られる。
創世記12〜25章に登場する、イスラエル民族の父祖である。神はアブラハムに、故郷を離れて神の示す地へ行くよう命じ、彼の子孫を大いなる民とし、彼によって地のすべての民族が祝福されると約束した。アブラハムは高齢になってから息子イサクを授かり、イサクの子ヤコブの十二人の息子からイスラエルの十二部族が生まれたとされる。
イエスの時代のユダヤ人にとって、「アブラハムの子孫」であることは神の民に属することを意味した。洗礼者ヨハネは、アブラハムの子孫であることに頼る人々に対し、神はこの石からでもアブラハムの子らを起こせると警告している(マタイ福音書3:9)。
パウロにとってアブラハムは、議論の要となる人物である。創世記15:6の「アブラハムは神を信じた。それが彼にとって義として数えられた」を引用し、アブラハムが割礼や律法より前に、信じたことによって神に正しい者と認められたと論じる(ローマ書4章、ガラテヤ書3章)。そこから、ユダヤ人でない人々もキリストを信じることでアブラハムの子孫になる、と主張した。
ヤコブの手紙2章も同じ創世記の言葉を引くが、こちらはアブラハムが息子イサクを献げようとした行いに注目し、信仰は行いを伴うものだと強調する。パウロとヤコブの手紙がアブラハムをどう用いているかは、両者の関係を考えるうえでしばしば比較される。
主な登場箇所
- マタイ福音書 1:1
ダビデの子、アブラハムの子であるイエス・キリストの系譜の記録。
- マタイ福音書 3:9
『私たちには父アブラハムがいる』などと、自分たちの中で言えると思うな。言っておく。神は、この石からでもアブラハムの子らを起こすことがおできになる。
- ルカ福音書 16:22
やがて貧しい人は死に、御使いたちによって、アブラハムの懐へ運ばれた。金持ちも死んで葬られた。
- ヨハネ福音書 8:58
イエスは言われた。「確かに、確かに、あなたがたに言う。アブラハムが存在するに至る前から、私はある」。
- ローマ書 4:3
聖書は何と言っていますか。「アブラハムは神を信じた。それが彼にとって義として数えられた」。
- ガラテヤ書 3:6
それは、アブラハムが神を信じ、それが彼にとって正しさとして数えられたとおりです。
- ガラテヤ書 3:29
あなたがたがキリストに属するなら、あなたがたはアブラハムの子孫であり、約束に基づく相続人です。
- ヘブライ書 11:8
信仰によって、アブラハムは、召されたときに従い、相続として受けることになる土地へ出て行きました。どこへ行くのかを知らないまま、出て行ったのです。
- ヘブライ書 11:17
信仰によって、アブラハムは、試されたときにイサクをささげました。約束を受け入れたその人が、ただ一人の子をささげようとしたのです。
- ヤコブ書 2:23
こうして、「アブラハムは神を信じ、それが彼に義として数えられた」という聖書の言葉が実現し、彼は神の友と呼ばれました。
AI利用について
2026年10月20日にClaude Codeを用いて、収録人物の選定、解説文の作成、主な登場箇所の選定を行った。2026年10月21日にCodexを用いて、使徒言行録に登場する7人の項目を追加した。登場箇所は本サイトの訳文と照合し、引用する節に人物名が実際に含まれることをビルド時に検査している。
人物詳細ページの肖像画像は、2026年10月20〜21日にCodexの画像生成機能で作成した。人物の外見は想像によるイメージであり、歴史上の容貌を復元したものではない。
人間の専門家による内容の校閲は、まだ行っていない。解説は一般的な理解の手引きであり、研究や教育に用いる際は、聖書本文と信頼できる注解書・事典で確かめてほしい。
